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SS-2-7『兄弟 』
「えいっ!」
「わぁ!」
桜人に抱きつかれ、ベッドの上をゴロゴロと転がった。
「ほら、これでちーやも牛だ!」
とてもレアな事だが桜人は僕と二人っきりでしかも機嫌がいい時、甘えたになって僕を“ ちーや ”と呼ぶ。
腹の上に馬乗りになって、桜人は僕を見下ろす。
「ちーや…」
桜人の手がシャツの裾に触れ、指が中に侵入してきた。
「.......」
突然の事に僕は動揺して大きく身体が波打ったが、桜人の指は止まらずに僕の腹の上をまさぐった。
「…ぁ、...お…と.......?」
「…ちーや、…もっと…触っていい?」
小首を傾げて眉を八の字にする桜人。
そんな顔されたら、ダメって、言えない。
「.......」
黙って頷いた。
「あったかい…。ちーやの肌、すべすべしてる」
桜人が肩で息をしている。
僕で…興奮して…る…?
その事に気がつくと身体中が熱くなって、高速で全身の血が巡りだした。
「ちーや、真っ赤…」
赤い舌が唇を舐めている。
体格差から言えば、桜人を退けるのは難しくない。
でも…僕はそうしようとしなかった。
初めて見る桜人の目に灯った欲情の色に、あてられてしまった…。
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