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明嗣に忠告されて秀人は大人しく雑貨屋 Les Restes の二階に留まっている。
抑制剤が使えないので、昼間はヒートの症状にベッドだけでなく床の上でものたうち回っているらしいのが、部屋の乱れからわかった。
そして夜になりダブルのベッドに二人で横になると、始めこそ遠慮がちだった秀人が日を追うにつれて大胆になった。
明嗣の手を取って自らの中心に触れさせ、寄り添ってきてキスをかわす。それから秀人自らパジャマをはだけて脚を開くので、明嗣も愛情を込めて秀人を抱いた。
すべては無理矢理起こされたヒートによって結ばれたものだが、明嗣の愛情は深まるばかりだった。
そのヒートも治まり、やっと日常生活が送れるようになった秀人を明嗣は念のため、もう一晩だけ泊まらせてようすを見ようとした。すると当然のように秀人からキスを求めてきて、今夜も体を重ねた。
風呂を使い、ベッドで心地よく疲れた体を休ませている時、秀人が言いにくそうに口を開いた。
「明嗣、あんた、オメガの割に、その、でかいよな」
やっとの思いで言ったのだろう。秀人は真っ赤だ。
それに対し、明嗣はしれっと言い返す。
「僕はアルファだからね」
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