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秀人が跳ね起きた。頬が風呂上がりの時より紅潮している。
「だましたのか?!」
「僕、秀人から一度もオメガかって訊かれてないよ?」と微笑って見せた。
秀人のトーンが下がる。
「でも、首にチョーカー……」
「僕はマネキンだって言ったよね」
更に声が小さくなる。
「毎月一週間休んでるし……」
明嗣はにこにこせずにはいられなかった。
「あ、知っててくれたんだ。その時は薬剤師のアルバイトしてる」
秀人が頭を抱えた。全身がぶるぶるしている。
「はめられたー!」
そんな秀人をほほえましく見つめながら、明嗣は秀人の尻あたりを撫でる。
「確かにはめたられてたね、毎晩」
秀人が赤くなって子どものように明嗣の胸を叩く。
「絶対吊り橋効果だ。好きになったんじゃない!」
「僕は好きだよ。秀人はかわいい」
「うー」
明嗣は唸る秀人を抱き寄せてキスをした。
「愛してるよ。秀人は?」
「うるさい!」
上掛けをすっぽり被って隠れてしまった秀人に、明嗣は笑いをこぼした。
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