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第6話
指がズルッと抜ける感覚に全身から力が抜けた。
「は、...ん、ふぅっ....」
信じられねえ...男に尻を弄られるなんて...。
後ろにいる男から少しでも離れようと、震える足腰を立たせる。
「よいしょ、っと」
「あっ」
這いずって逃げようとした俺の脚を、男が引き寄せ、喉がヒュ、と鳴った。
「逃げないでよ。お前から誘ったんでしょ?」
「んんっ!んぅ...」
顎を無理やりあげさせられ、そのままキスをして口を犯す男に、恐怖を感じた。
「っ!!!っ、っ!」
一度も誘ってなんかいない!ただ女避けに利用しようとしただけだ!
そんな反論は奴の口の中へと消えていった。
「ん、ちゅ....は、んん...」
窒息させるかのような長いキスで、頭にもやがかかる。
相手を痺れさせ、麻痺させるようなキス。
........蜘蛛は、巣にかかった獲物に自らの毒が入った唾液を注入し、獲物が痺れて動かなくなったところで溶かしながらゆっくりと食べるらしい。
離れていく唇にかかったいやらしい唾液の糸を見ながら、そんな事を思った。
「じゃ、いただきます」
「えっ...なに、ひっ、」
ボーッと遠くを見ていたら、突然尻にぴとりと熱いものを当てられる。
「な、.....やだっ、」
「んふふ、大丈夫だよ...慣らしてあるから痛くないと思う」
「そういう問題じゃねっえぇっああぁぅっ!」
ズ...と先ほどとは比べ物にならない質量に、目の前のシーツを握りしめ、息を詰める。
「っふー、っふーぅ、う、」
「大人し...ほんと、子猫ちゃんだね」
項をするりと撫でられ、よしよしされるがそれどころじゃねえ。
ゆっくりゆっくり、焦れったい程にゆっくりと入ってくる大きい幹に、力を抜かなければ壊れるぞ、とぼんやりした頭が警鐘を鳴らす。
「お、一番太いところは入ったよ、子猫ちゃん」
「ぁあっぬけよ...ううぅ、あぁ...」
「器用だねえ…ココ、初めてでしょ...」
「あっ、やめろっ、広げんなっ」
グ、と尻たぶを開かれ、思わず力を入れてしまう。
「っ、気持ち良すぎ...」
「ああぁうんっ」
何が男を刺激したのか、急に入ってくるスピードが早くなり、叫んでしまう。
「っよいしょ、全部...入った」
「ふぅっ....ぅう、ん、」
......っ嘘だろ......。
満足そうに笑うそいつを、振り返って睨みつける。
「唆るね....その視線はもうう動いてって意味?」
「ック、ちげぇよ!俺は抜けって─────」
「そんなに言うならしょうがないなあ、動くね」
「っひあっ!」
襲ってくる排泄感に、顔が歪む。
「ああっ、ぅうんっ、あぁっ」
「んふふ...、ここだよ、気持ちよくなっちゃうとこ」
「ひぅんっ!っあ、あぅ」
ぐ、と中の一点を突かれ、信じられねえくらい高い声が出た。
「ぁうっ、ん、やだっ、てめっ」
いつも女を連れ込んでヤってたラブホで、俺はこの男にヤられている。
女みてえな高い声を出しながら、犬みてぇな恰好で。
「くくっ、何言ってんの。自業自得だよ、俺達付き合ってるんでしょ?」
「んあっ!」
男が逃げようとする俺の腰を掴み、自分の元まで引き寄せる。
「もっと喘ぎなよ、可愛い子猫ちゃん」
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