18 / 64

第18話

岬side 返信が来ない携帯を閉じて、発車させる。 先ほどの、冬夜の様子。 ...あの今にも崩れそうなアパート。 多分、触れて欲しくないんだろうな。 .......車の中で急に大人しくなったこと。 .......やせ細って力も何もない身体も。 本人は無意識のうちに隠している。 「......まあ、今はまだ触れるべきじゃないよねぇ」 関わりたくない、そんな顔してたし。 赤の他人の俺には、まだ踏み入れられない領域なのだろう。 「ちゃんと眠れてるかな」 後部座席に投げ捨てられて寂しく転がるくまさんを見て、苦笑する。 何故か泣いているような気がして、助手席に座らせてあげた。

ともだちにシェアしよう!