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第18話
岬side
返信が来ない携帯を閉じて、発車させる。
先ほどの、冬夜の様子。
...あの今にも崩れそうなアパート。
多分、触れて欲しくないんだろうな。
.......車の中で急に大人しくなったこと。
.......やせ細って力も何もない身体も。
本人は無意識のうちに隠している。
「......まあ、今はまだ触れるべきじゃないよねぇ」
関わりたくない、そんな顔してたし。
赤の他人の俺には、まだ踏み入れられない領域なのだろう。
「ちゃんと眠れてるかな」
後部座席に投げ捨てられて寂しく転がるくまさんを見て、苦笑する。
何故か泣いているような気がして、助手席に座らせてあげた。
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