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第28話

......? 昼休み中に来た丈さんからのメッセージに、一瞬首を傾げる。 「...くそっ、白衣!」 岬圭一の白衣、洗濯したままだったっ! 『悪い、干すの忘れてた』 ありがとう丈さん。 「白衣がどうしたんー?」 「ああ...保健医が白衣貸してくれたんだけど、忘れてきた」 「みさちゃんの?」 「ッブフ、そうそう。みさちゃんの」 優介のネーミングセンスにはお手上げだ。 しかし、どうしよう。 「白衣何着か持ってるよな......?」 保健医だし。 「んー、大丈夫じゃない?」 「だよな」 放課後、保健室に行かなきゃ。 優介のお弁当からウインナーを奪いつつ、この後のめんどくさい用事を考えた。 放課後。 「入るぞ」 保健室のドアを開ける。 「みさちゃん、彼女いるのー?」 「ッブフ、」 優介が考えたあだ名、みさちゃんが定着していた。 あいつやるな。 「あっ、佐々木くん!」 相変わらず女子に囲まれた岬圭一が俺に気づいて声をかけてくる。 「.......」 それと同時に、女子からのマウント視線。 こっわ。 「ごめん、話しに来ただけなら席を外してくれるかな。俺はちょっと佐々木くんに用があるから」 「えっ、でも」 「ね?」 うわぁ。 ...初めて会った時も思ったけど、岬圭一は割と怖い。 ニッコリ笑ってゴリ押しで女子を追い出した。 「ようみさちゃん」 良かったな優介。そのダサいネーミングセンスを受け入れて貰えて。 ニヤニヤしてると、 「えっ、ちょ、もっかい呼んでよ」 「は?みさちゃん?」 何故かもう一度呼ぶように言われる。 「何?気に入ったの?」 「ん、んん、まあ、そんな所かな…」 なんだコイツ、変人かよ。 「おい、メッセージ見たよな」 「えっ、うん。...起きてたんだ」 屋上で。 一人でお前が落ち込んでた話だろ。 「ああ。...気にしていない」 「でも...」 申し訳なさそうに視線を下げる岬圭一に、イライラが募る。 俺は大丈夫だって言ってんのに。 「大丈夫だって」 「いや、ほら...」 あー、もう! いつまでもグズグズ言ってんなよ! 「っだからっ、気持ちよかったって言ってんだろ!」 「...っへ、」 あー、あー!言っちまった! 驚いたように目を見開いてこちらを見る岬圭一の視線に、ぶわ、と熱が上がる。 もういいっ、ヤケクソだ! 「全然痛くなかったし、なんならこんなの初めてかよってくらい気持ちよかった!だから、なんていうか、そういうのやめろ!」 うあああ...恥ずかしいどころじゃねえ...。 自分の言ったことに顔を覆って悶える。 岬圭一は相変わらずポッカーンとしたアホみてぇな顔で固まっていた。 っ地獄だ...。 「っ......」 俺は居た堪れなくなり、隣のベットに潜り込んだ。 ...このまま下校時刻まで寝ちゃおう。 なかったことにしよう。 うん。それがいい。そうしよう。

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