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第31話

二人で校舎を出ると、駐車場に停めてあったバイクに乗り込む。 「仲いいんだな、あの保健医と」 ヘルメットを渡してきた丈さんの言葉にドキ、とする。 「うん」 返す言葉に困ったから、ヘルメットを被って後ろに乗り込んだ。 俺達の関係を言う機会なんてないと思うけど。 「おい、掴まってろよ」 「?あ、うん」 俺は丈さんの腰に手を回し、きゅっと掴まった。 「行くぞー」 丈さんの声に、そっと目を閉じた。 色々なことが一度に起こり過ぎると、頭が痛い。 岬は、変だ。 俺なんかの何が好きなんだか、不思議だ。 だって、こんなにも。 『お前が生まれたって分かった時、殺しときゃよかった』 『全部アンタのせいよ。ぜーんぶそう!』 『っおらっ、死ねよ!』 こんなにも、必要とされてないのに。 ぽん、と腕を叩かれて我に返る。 「っあ、」 いつの間にかものすごい力で丈さんをホールドしていたらしい。 わ、悪い丈さん。 締め上げていた腕を緩め、丈さんの硬いお腹を摩っといた。

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