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第34話

岬side 「みさちゃんっ!私、怪我しちゃって...」 昨日の夜、冬夜を迎えに来てくれた中田さん。 随分と冬夜が懐いていて少し羨ましい。 「みさちゃん、聞いてるー?」 親戚って言ってたけど、多分親族ではないよね。 でも、冬夜のお母さんが迎えにこなかったのはなんでだろう...? 「みさちゃんー」 ぐい、と袖を引っ張られて我に返る。 隣にいつの間にか眉を顰めた女の子がいた。 「あっ、ごめんね...考え事してた。それで?」 「ここっ、怪我しちゃった」 いやー、どこだよってくらいの小さな怪我。 「...痛いね…、消毒して絆創膏貼っておこうか」 ちょっとレモン汁とか食塩水とかかけたくなっちゃうけど、さすがにやめておこうかな。 「よし、これで大丈夫」 「ありがとー!」 抱きつこうとする女の子の手を、立ち上がって躱す。 ふー、危ない危ない。 最近は、ちょっとでも触ったりするだけでセクハラになるからね…。 あ、冬夜は例外だけど。 きゃあきゃあ騒ぎながら出ていく女の子を見つめていると、 「入るぞ」 冬夜が来た。 「お前が放課後はここで寝ろって言うから」 驚いていた俺を見て、少し照れながら言う冬夜。 可愛い......。 「彼氏だしね」 「はぁっ?俺は認めてないからな!」 そう。多分冬夜は。 「だよね。気持ちよくなっちゃって、訳わかんなくなっちゃって適当に答えただけだもんね」 にこにこしながら冬夜に近づくと、真っ赤になりながら睨まれる。 「んなわけねぇだろ!...っ俺は寝るっ」 あー、...逃げられた。 冬夜は隣の部屋のベットに潜り込んで、こちらの様子を伺っている。 ...昨日も思ったけど、布団の中でモゾモゾとしてる姿が可愛いすぎる。 本人がそれに気づかないところがもっと可愛い。 「冬夜くーん」 試しに声をかけると、もっこりした布団がビクンと震えた。 面白いな…。 「っふふ、」 「なんだよ」 「ううん、なんでもない」 俺の笑い声に頭を出して怪訝な顔をする冬夜に、笑って返す。 「寝ていいよ。七時になったら起こしてあげる」 「ふん、忘れんなよ」 冬夜は不機嫌そうに鼻を鳴らして、カーテンを思いっきり乱暴に閉めた。

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