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第43話

「いらっしゃいませ」 今日もPeaceは常連客が集まる。 「ヨルくん、同じものをもう一杯」 「かしこまりました」 えっと、佐藤さんはウイスキーのロック......。 常連客の一人、佐藤さんに頼まれ、グラスを取った時。 チリリン、と来客を知らせるドアベルが鳴った。 「いらっしゃいま...せ」 振り返って笑顔で挨拶を、と思った俺は、来客の顔を見て固まった。 「ふふっ、来ちゃった」 岬.......何しにに来たんだよ…..。 ...バイト先の場所を教えるんじゃなかった。 「こちら、どうぞ」 貼り付けた笑顔で対応をする。 「その格好、髪型...可愛いね」 じっと見られて、俺は固まった。 「.....っ、何しに来てんだよ!帰れよ」 コソコソと小声で岬に怒る。 「客として来ただけだけど?」 しらっと答える岬に、イラっと来た。 「っあのな、」 「ヨル、酒足りないから取りに行ってきてくれ」 オッサンがチラ、と俺たちの方を見て頼む。 「あっ、はい!...とにかく帰れよ!」 カウンターに両肘を突き、顎を手に乗せてこちらを微笑みながら見る岬を睨みつけて、俺はオッサンに足りない酒の種類を聞きに行った。

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