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第47話
原side(優介side)
冬夜は無自覚にも程があるっ!
横目に歩いてる本人を見つめる。
中学校で知り合って初めて顔を合わせた時、なにこの可愛い生き物はっ!ってなったよ。
俺の方が身長高いから、『何お前』って睨みつけられたけど、ただの上目遣いになってたし。
思わず、友達になろうっ!って手をとってた。
最初は振り払われてたけど!
だから、寛也の言うことも納得がいく。
高校に入ってからは冬夜は夜のバイトを初めて、学校では眠いのか、妙に気だるげだ。
その様子が、なんかエロい。
放課後は屋上や保健室で寝てるって話も割と有名で、なんだか妙な愛称もつけられているらしい。
俺は正直心配してる。
寛也と初めて話したのは、割と最近のことだ。
『お前...よく佐々木といる奴だよな』
『そうだけどー?』
『俺、アイツと仲良くなりたい』
卓球部の部活中、休憩していたところを突然声をかけられた。
話してみれば、これがなかなか気の合う奴で。
『じゃあ俺、冬夜誘ってみるわ!』
そういう話になったのだった。
「おい、コンビニ寄ってくぞ」
「家にお菓子あるけど」
冬夜がコンビニにズカズカ入っていくのを慌てて追いかける寛也。
多分、人の家に行くから…ってなんか買ってくんだな。
「俺も!」
嫌いな勉強だけど、ちょっと楽しみだなあ。
シュークリームを選ぶ冬夜と寛也を見つめながら、俺はワクワクしていた。
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