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第48話

椿の家は、まるで豪邸のようだった。 「でけぇ...」 優介も、ポカン...して目の前にそびえ立つ家を見つめる。 多分俺も同じような顔をしている。 「おい、入るぞ」 椿は俺たちのような反応に慣れているのか、さっさと中に入って行った。 「俺、シュークリームしか買ってねぇんだけど...」 「大丈夫、俺もだ」 優介と顔を見合わせ、恐る恐る開けっ放しになっていた両開きのドアから中に入った。 「こっち」 「でけぇ...広っ」 入ってすぐの正面に、幅おかしくね?とツッコミたくなるような階段がある。 なんだかこういう屋敷を映画化なんかで見たことがある。 ホラー系とかにもよくあるやつだな。 「この部屋」 二階に上がっていくつかのドアを通り抜けたあと、椿がドアの前で止まる。 「俺、来た道覚えてないよー...」 「大丈夫、俺もだ」 中は割と普通だった、と言うより、普通にアパートみたいだ。 机...奥は…シャワールームか? この部屋だけで生活できるだろ...。 「すげぇな、お前」 「すごいのは俺じゃねえ。俺の親だ」 「...」 「おいっ、こっちにベッドあるぞ!」 優介は、勝手に探索している。 「おい、勝手に...」 「わ、ぬいぐるみめっちゃ置いてある!」 ......なにっ。 俺は机にシュークリームの入った袋を置いている椿に、興奮して声をかける。 「ちょ、俺もベッド見てきていい!?」 「っ、お、おう」 まあ、しょうがねぇ。 ぬいぐるみだからな。 ちょっと見てみたいだけだ。

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