「...岬には、関係ない」 突っぱねようとしたけれど、思ったよりも弱々しく震えた声が出た。 指先がどんどん冷えてくる気がして、固く握る。 岬は、何も言わなかった。 あの後の気まずさから、俺は早めに保健室を出た。 いつもあんなにしつこく車で送る、と言っていたのに、岬は今日はそんなこと一言も言わなかった。 「......フン」 ......別に、なんとも思わないし。 なんとなく心が荒み、冷えていくのを感じた。 「ただいま.....っ、あれ！？」 「よう、元気なさそうだな！お前は」 Peaceに歩いて帰ると、そこには想像もしていなかった人物がいた。 「...なんで三田村先生がいんの！？」 カウンターに座ってお茶を飲む三田村先生が、おかえりー、と俺に声をかける。 「相変わらずほっそい身体だな？おい？飯食ってんのか？」 ちょ、話聞いてないよ！この人！ というか、まだ店開いてないんですけど？! 「おー、おかえり冬夜」 「ちょ、ただいま、丈さん、......これどういう事！？」 呑気そうに奥から出てきた丈さんに、説明を求めた。 「フ....、明日香はな、俺の義理の妹なんだよ」 「っ！？」 どうだ驚いたか、とばかりに笑う丈さんの言葉に、言葉を失った。 妹っーーーー！？