61 / 64

SS1

岬side 「.......」 俺は、くまさんと目を合わせていた。 「.......どの子がいいかなぁ.....」 じーっとくまさん同士を比べる。 車に、寂しいから.......と置いておいたくまさんを、冬夜がぎゅっと抱き締めていた。 これはもう、.......増やそう、増やすしかない、と思って早速ショップに来たのだ。 「何かお探しですかぁー?」 ショップの店員が近づいてきた。 チラ、と周りを見ると、ファンシーショップのためか、俺一人だけものすごく目立っていた。 なんか....ものすごく見られちゃってるな......? 近づいてきた女の人は、俺の隣でペラペラと話している。 ......うーん、こっちの子か、こっちの子だな.....。 どちらもくりくりの目と小さい鼻が、ちょっとだけ冬夜に似てる。 「...うーん...」 「良かったら一緒にお選びしますよぉ?」 「こっち...うーん、いや、こっち....よし、両方かな」 一つは家に置いておこう。 俺の冬夜。 「あっ、お決まりですかぁ?」 「うん、決まったよ」 いいものが見つかって嬉しくなり、ショップの店員ちゃんに笑いかける。 「かっ、.....っ彼女さんにプレゼントなんですかぁ?」 んん、彼女さんと言うよりは….... 「俺の可愛い子猫ちゃんにあげるんだよ」 ぎゅう、とくまさんを抱いて、冬夜がこのくまさんを抱くところを想像する。 可愛いだろうな。 「っっ、」 んふふ、喜ぶかな? 俺はウキウキしながら帰路についた。 end​───40話、41話『増えるくま』の背景

ともだちにシェアしよう!