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第3話
「ふふ・・現世のリュース公・・
俺は・・もう一人のアーシュだ
違う時空・・違う世界・・俺はもう死んだ 千年以上前に・・幽体だ」
そして 彼は 違う言葉 白の国 異国の言葉で話し出す
「途中までは同じ生涯だった お前のせいで途中で変わってしまった
リュース公・・お前のせいで転落の運命を辿った」
「まだ黒の王国が巨人族に占領されていた頃
人質の奪還の作戦で 俺は敵達に捕まった
一日中 酷い 言わば拷問を・・覚えてるだろう?
竜人の守護者セルトが助けに来た・・」
「・・・そちらの現世のアーシュはセルトに救われて助かった」
「だが 俺の方はアレルドが敵に捕らわれて
もう一人の竜人の守護者アレルドが
セルトを殺して・・人質達は他の者達が助けたが
俺は敵の巨人族の弟に献上された」
「知ってるだろう? 巨人族の弟の趣味は・・そう お前と同じだから
気に入られて 処刑は免れたが
彼奴らは お前よりとても残酷だった・・惨かった
それが14年の囚われの時」
「俺の生涯で良かった事は・・あの8年の煉獄を逃れた事だけ・・
悪評は残ったが 無事に王になれた事」
「美しい異母妹 王妃のテイには あの子の火焔の魔法の力が
強くて手が出せず 呪いの入れ墨を入れて間者にした」
「お前が俺を欲がりさえしなければ・・」
「・・黒と白の王国の運命も変わったぞ・・」
「黒はまだ奪還の途中 白の国も滅ぼされて奪還中だった
俺の大事なエイル 白の王族の子
エイルの父も婚約者も 多くの白の王族や貴族が死んだ
時の番人レグルス達が俺を一時的に俺を正気にして
俺とアレルドが巨人族の王達や魔法使いを殺した
俺が一時的に正気になり
情報を教えて同じく囚われてた異母妹のテイを
お前やリアン達の元に逃がさなかったら・・
俺とテイは巨人族の王達の城で死ぬ運命だった
神達から与えられた責務は
次世代に引き継がれるはずだった
・・・神の使い 番人のレグルス達がそう言っていたぞ」
「・・発情期で抑えがきかぬなら 何故 他の者にしなかった!
お前は自分の主君を・・まだ15歳の俺を・・」
「それに俺は身分の低い人族の側室の子」
「・・・亡国の王子の保護者だったリュース公・・なら立場は弱いからな」
とても怖い顔をして睨みつける もう一人のアーシュ
「そちらのアーシュはほとんどの記憶を無くして また少年の姿だったな」
「あ・・アーシュ様・・」全ての意味を悟り 蒼白になるリュース公
「・・わ・・わんわん・・」話がよく解からずに戸惑うわん子
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