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第8話
皐月side
最近、石田という男と話す機会が増えた。
馬鹿な冗談を叩けたり気楽な奴だ。
同僚達はまた媚びを売っていると嫌味を言ってくるが知ったこっちゃない
俺は元々幹部が外で作った子供だった。
幹部は所謂ロリコン、ペドフィリアと呼ばれるもので
僅か12歳の母に俺を身篭らせたのだ。
そして母の体がだんだんと成熟してくると、
「もう要らない」とばかりに母を捨てた。
あの時の母の虚な瞳はよく覚えている。
そして俺は長持ちするようにとホルモン剤を打ち続けられ見た目も好みに整形させられた。
だから成人しても見た目は幼い
結局捨てられたんだけどね
そんな玩具のような扱いばかりだったから、石田のように軽口を叩ける存在は新鮮だ。
これが ''ともだち"というものか?少し違う気もするけど
くしゅんっ
「おいおい、勘弁してくれよ」
石田は俺にうつすんじゃねーぞという嫌味と裏腹に自分の着ていた上着をかけて出て行った
「タバコくせーし」
次の客はキャンセルとなった。
俺が体調が優れないときはそういったことが多い。
「ばーか。気つかってんじゃねーよ」
商品の消耗を抑えるという理由なんだろうが、
少し胸がザワザワした。
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