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「朝陽……」 目を瞑っていても呼吸のせいでどれだけ近くに顔があるのかも分かってしまう。唇まで残り数センチ。ない唾をごくりと飲み込んで今度こそされるであろう激しいキスを待った。指先には力が入り、シーツをしわにする。 ……ってあれ? キスは? 「……え?」 「ふはっ、」 いつまで経っても彼の唇で触れてもらえなくて、戸惑って目を開けてみればその瞬間を待っていたかのように彼は俺の唇を奪った。 え? と思わず口を開けた俺はあっさりと彼の舌の侵入を許してしまい、厚みのあるそれで口内を圧迫される。 「んっ、あ……」 「ふ、」 口の端から溢れ出る唾液も舐め上げられて戻され、逃げても逃げても追いかけてきて絡められる舌に頭が真っ白になった。もう彼のことしか考えられなくなって、時折漏れる彼の息にさえ体反応してしまう。気がつけばボタンは全て外され、シャツは肘のところまで脱がされていた。 「やっぱりキスだけじゃあ足りそうにないね」 「……っ」 「朝陽の乳首もここも、もっと俺に触ってほしいって言ってるよ?」 「……やだ」 こんなに反応しているのに? と、彼は服越しに勃っている俺のに触れた。布を挟んでいるのに彼の指先の熱を感じてしまう。 「キスしかさせてくれないの?」 「うぅ……」 「勃ってるコレはどうするの? 後で自分で処理するの?」 「国博っ、やめ……っ」 とうとう服の上から触れるのをやめ、彼は直接俺のを掴んだ。どう触れば俺が気持ち良いのか全て分かっているから、いいように遊ばれてしまう。余裕の笑みを浮かべ、乱れた呼吸の俺の唇を塞いだ。もう片方の手には乳首を摘ままれ、こうして一気に苛められれば我慢なんかできるわけがない。 好きな人に、好きなところを触られているのだから。 「んっ、……あッ」 「ははっ、昨日も散々出したのにまたこんなに出ちゃったんだ? って、ごめんごめん、意地悪しすぎたね」 可愛いから苛めたくなるんだよって、理由にならない言い訳をされ、俺は頬を膨らませた。それすらも可愛いと、彼は俺の頬にキスをする。 「朝陽……好き」 「……っ、」 「好きすぎてどうにもならないのだけど……。俺を受け入れてくれる? 朝から愛してもいい?」 何でこんなに恥ずかしいことを平気で言えるの? と思ったもののそれが似合ってしまうから何も言えない。それに何より彼からの「好き」という言葉に弱いのだ。 「あ、いして……」 虫の音のような小さな声で返事をすると彼はまた、俺のことが愛おしくてたまらないと、そんな表情をした。

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