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学校では彼がそばにいてくれていたし、オメガとして危機感を持ったことはなかった。そろそろ発情期が始まるかもしれないことを強く意識しておくべきだった。両親とそういう話をしなかったわけではないけれど、自分に動物みたいな発情期くるということがどこか恥ずかしくて真剣に聞く耳を持たなかった。 初めては彼……国博と幸せいっぱいの中で触れてもらえたらと、そんなことを夢見て生活していたけれど、別に彼と俺は恋人でも何でもなく、夢を見たところで今後そういう展開になれるはずもないのに。それにもうこうして汚された体で今後彼を好きでいるということ自体が許されないだろう。 ……ううん、好きでいられる、いられないの話は今はどうでもいい。こうして犯されているところに彼が戻ってきて俺のこの姿を見たら何と思うだろうか。汚らわしいと逃げて行くだろうか。……いや、彼はとても優しいから、待っていてと言った自分を責めるだろう。そうして罪悪感で苦しめてしまうはずだ。 「そろそろやべぇ」 何度も俺の奥を突いていたそれが引き抜かれ、立ち上がったその人に合わせるように俺の手を固定していた人が体を起きあがらせた。ビクビクしている肉棒は今度は俺の口の中へと押し込まれ、汗やら尿やらの匂いのするそれに咽せたと同時に口内に青臭い匂いと嫌な感触が広がった。咳と一緒に口から零れたそれは、制服に染みを作り、俺はまたボロボロと泣いた。 「じゃあ次は俺の番な」 さっきまで手を固定していた人がやっと順番が回ってきたとそう呟いた時、ぼんやりとした意識の中で彼の声が聞こえたような気がした。力なく顔を上げれば、汗だくになった彼が教室の入り口に立っていた。 「国博じゃん」 「お前ら何してんだよ!」 「何って発情期のオメガと遊んでんの。ってお前このクラスか。あーじゃあお前の友達ってわけね。わりぃわりぃ。あと三人で回す予定だからもう少し待っててもらえる?」 最初の人がそう言って嫌な声で笑うと、国博は何かスイッチが入ったように顔が変わり、一番近くにあった机を持ち上げた。 「……死にたい?」 「は?」 「誰から殺してやろうか?」 持ち上げた机を勢いよく廊下の窓ガラスにぶつけ、ガラスが飛び散った。彼にも破片が飛び頬には血が滲んでいるものの全く気にすることなく、その机を引きずりながらこちらへと近づいてくる。その表情と彼の言動にさっきまで笑っていたその人たちは一気に固まった。 後ずさりながら一人が彼の近くの入り口とは反対の入り口から廊下へと飛び出した。それに合わせて残りの三人も同じように教室から逃げ出して行った。残ったのは国博と他人の精液にまみれた俺だけで。服に手を伸ばす気力もなく、国博の顔も見ていられなくてうつ伏せに丸まった。

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