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第7話

俺はその胸を軽く押して再び仰向けに寝かせ、手拭いをかけるついでにわずかに濡れた先端をサッと拭ってやった。 油をとり、その手を腹に乗せると、陸奥の身体がピクリと揺れた。 「冷たいか…… 少し我慢してくれ」 少し窓を開けただけで、吹き込んだ冷気に手が冷えてしまったらしい。自らの手に息をかけ、少し温めてから按摩を続けた。膀胱を押しても、もう体に緊張が走ることはない。 仰向けに寝かせた陸奥と違い、前かがみの姿勢でいられることがありがたかった。 ゆっくりと、腹に両手を滑らせる。親指が腰骨を掠めると、くすぐったいのかもぞりと腰が動く。下腹を圧迫すると、黒く艶のある下生えの生え際が手拭いの下からちらりとのぞいた。 「お前、先ほど、女にも同じようにするのかと聞いたな?」 「失言でした。なにとぞお許しください」 「女にはしないこともあるぞ」 俺の言葉に、それは何ですかと問うように、陸奥が少し頭を上げて首を傾げた。 「…… 左を下に、身体を横向きに」 そう指示してから、側臥位になった陸奥の背中側に座る。腰の手拭いを取り払い、油で濡らした指先を柔らかそうな尻の(あわい)に伸ばした。 「…… っ!?」 声を上げず、息を吸い込んだわずかな音だけがした。驚いて振り向くかと思ったが、陸奥は体を固くしてしがみつくようにこめかみを敷布に押し付けた。 予告せずに挿し入れた中指は、ほんの指先だけが陸奥の体内に滑り込んでいる。無意識に追い出そうとする肉のうねりに合わせて、第二関節までをゆっくりと沈めた。 陸奥は拳を震わせている。 不快感があるのは当然だ。それでも抵抗もしない彼の従順さに、桶に放尿させた効果を感じる。 全てに従う覚悟で、すぐ終わるものと期待して耐えているのだろう。 「…… 息を止めるな。膝を曲げて、右脚を少し前へ」 指の侵入を止め声をかけると、陸奥は短く息を吸い直した。結んだ唇の端が震えている。それでも、言われた通りに脚を動かした。 「女の患者なら、ここは触らない。ここに老廃物が溜まるのは男だけだからな」 陸奥の中にある指先を腹側に折って探ると、わずかにしこりのようなものがある。腫れすぎていれば病を疑うが、勃起とともに前立腺が隆起するのは健康な証拠だ。 視線を前にずらすと、思ったとおり形の良い陸奥自身が勃ち上がっている。 俺の視線に気づいたのか、陸奥はサッと顔を伏せた。 「別に恥ずかしいことじゃない。生理現象だから、気にするな」 その言葉は嘘じゃない。しかし、見慣れているはずのその光景に、俺は不思議な感慨と興奮を覚えた。 女のような美しい顔立ち。人形のように動かない表情。それでも、この青年は刺激に反応する雄の器官を持ち、俺の指に尻を(えぐ)られて勃起しているのだ。

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