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第4話
「おい。ついたぞ。ここだよな?」
「ん?…ん…運転ありがと」
「大丈夫?もう少し寝る?」
「ううん。起きる。12時までに行かなきゃ」
「え?」
「何でもない。んじゃいこっか」
車を降りて並んで歩く。いつもと同じはずなのに今日のこいつは何か違う…
「ほら。見えてきた」
ついた場所は海の見える崖の上に立つ小さな小さな祠だった
「ここ?何?」
「覚えてない?ほらあそこみて」
指差した先には見覚えのある場所
「じいちゃんち」
「うん。そう。で…こっち」
手を引かれて祠の脇にある獣道。そこを下っていく。
「ほら。これ」
指差した木には名前が掘られてた。見上げると何かあったのだとわかるもの。朽ちてはいるが手作りの床だとわかる
「秘密基地…」
「うん!そうだよ」
じいちゃんは別に親類とかではない。
俺たちの祖父のちょっと変わり者の友人だ。
祖父ととても仲が良く毎年夏になるとここにつれてきてもらっていた。
そこからさらに下っていくとお化け屋敷みたいな壁に蔦の這う古びた大きな日本家屋が見えてくる。一見すると人が住んでいるようには見えない
立て付けの悪い門の扉を勝手に開けてずんずんと進んでいく背中を追いかける。
「じいちゃーん」
「…」
「あれ?」
「じぃち…」
「じいちゃんというな…俺はまだ現役だ」
「意味わかんないんだけど。じいちゃんはじいちゃんでしょ?」
「ったく…お前は…相変わらずだな耀太。そして…桂太…久しぶりだな」
「…え?」
俺はその人をただみつめるしかできなかった。だって…
「驚くよなぁ…」
俺が最後に会ったのはもう十数年前になる。それなのにそのときの面影そのまま…というより…何故か若返っているのだ
「何で…え?」
「信じるかどうかはわからんが…俺はあの祠に祀られてる神だよ。」
「え?…」
「俺が若返った理由は…お前たちのおかげだ」
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