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第5話

どういうことなのだろう?わからない 「ここ辺りは昔は多くの人が住んでいた。人がいた頃は俺もそれなりに信仰されてたんだがな。どんどん世の中が発展していくとここらの者は皆町へと降りた。誰も信仰しなくなった神は消える運命にある。消えかけた俺に手を差し伸べたのがお前たちの祖父だ」 神だと言われてもどうして良いかわからない。けれど言っていることが真実なのだと思い知る 「お前たちのじいさんは元々この村の出身だった。そして不思議な力を持っていた。ある術を使いお前たちと俺を連動させることで俺の姿を保ってくれたのだ。ただあいつは知らなかったのだろう。それは禁術でお前たちのどちらかの幸せと引き換えになることを。桂太。わかるよな?生まれる前から多くのことを背負ったのだから」 「…それって…」 「不幸体質だと言われているだろ?」 「そうだけど…俺は不幸だと思ったことはないよ」 「うん。その強い思いで俺はこの姿になれたのだろう…だが…19の誕生日を迎えたときその術は耀太に移った」 「え?」 「耀太があれとは違う術式を使ったのだ。桂太がこれまでずっと背負ってきたから今度は自分の番だとな」 「…え?」 「…変わったことが多くあるだろう?」 確かに最近俺は変なことになったりしてない。でも耀太は見ていてわかるくらい疲れ果てて… 「…これまでお前が受けてきた不幸をすべて背負った。それも一度にな…消耗は激しかろう。このままでは耀太は長くは生きられない。20歳を待たずしてその生を終えるだろう…俺はそうまでしてこの姿を保っていたくはない…だから今日ここに呼んだのだ」 「…俺はじいちゃんには存在してて欲しい。桂太にも幸せになって欲しい。だから。俺はいいから。ね?」 「信仰する者がいない神など存在する必要はない。耀太。こちらへ…」 そうじいちゃんが言うとすっと何かに操られたように耀太が歩みを進めた。耀太は嫌だ嫌だと首を降っていた 俺はその場に縫い付けられたように足が動かない。…動けなかったのだ…体が鉛のように重くなり声すら出すことは叶わない… じいちゃんはどうなってしまう?耀太は?俺は? どうしようもない疑問を脳内で繰り返した

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