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第7話

「すまんな…桂太…耀太。少し…いや…かなり嫌なことをするかもしれない…」 本当の孫のように可愛がってくれてたじいちゃんが苦しそうな笑みを浮かべながら俺たちを見ていた そして急に部屋が明るくなり…ううん。正確には耀太が光輝きだしてその光が収まっとき耀太は何も身に付けていなかった。 そして 「桂太。おいで」 今度は俺の番。心と体が別々に動いているようだ。 操り人形みたいに勝手に動く体。耀太の隣に並ぶ。 耀太は白い光だった。俺は黒い光に包まれた。一瞬何も見えなくなって恐怖を覚えた。 そこからふわふわとする意識だけが動いてるような感じがした 怖くて怖くて光を求めて歩みを進める。何も見えないから真っ直ぐ歩けているのかもわからない。 「…じいちゃん…耀太…どこ…」 「桂太…こっち…おいで」 声のする方に向かって歩く。もうどのくらい歩いたのかな? やっとポッカリと開けた場所を見つけた。そこだけ明るく照らされていて畳の部屋には布団が置かれてた その隣に耀太が座っていた。 「桂太…来て」 耀太に言われるまま側に行くとぎゅっと抱き締められた。 「ごめん…体言うこと聞かないんだ…ごめん…」 そういうと俺を押し倒して… 初めて経験すること…あぁ…耀太…俺の願望が見せた幻なのかもしれない… 意識だけがそこにあるはずなのに妙に生々しく肌の触れ合いを感じた。 「つらくない?きつくない?」 泣きそうな顔で耀太が言う、 あぁ…嫌なんだろうな…本当は…だって同じ男…それだけでなく俺たちは血を分けた兄弟なのだから 「耀太…大丈夫…怖くないよ。辛くないよ…幸せだよ…俺…ずっとこうしたかった」 「桂太…俺も…ずっとこうしたかった…愛してるんだ…昔からずっとずっと…お前だけを」 嬉しい言葉を最後に意識は途切れた

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