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第6話

「透……好き。……んんっ。世界で一番お前がーー」 「分かったから! 一旦離せーー」 ーーガシャンッ。 摑み合い激しく動いたせいで、ベッドサイドチェストの上に飾っていたツリーのガラスドームが落ちた。 「……」 「……」 静まり返るベッドルーム。俺と輝の上がった息の音だけが耳に入ってくる。 「……はぁ。……ごめん」 「……いや、俺も悪い」 冷静になり、互いに見つめ合う。 どのくらいの時間が経ったのだろう。 先に口を開いたのは、俺の方だった。

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