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第7話

「俺だって……お前のこと、好きだし……独り占めしたい」 ぽつりと呟けば、心に溜めてた言葉が自然と次々に溢れ出してくる。 「本当は分かってる。分かってる……つもりなんだよ! 昨日のテレビに映るカップルみたいに、手を繋いでくっついて外を歩けないことも、家の中じゃなきゃアーンって食べさせあったり出来ないことも」 まだ止まらないーー。 「でもそれって、『男同士だから』『世間的に』って理由じゃなくて……俺が、お前に相応しくないからなのかなって……感じるときもあった」 友達同士のふりをして買い物に行く度思ってた。すれ違う小柄な男の子がいれば、「あの子みたいに可愛げがあったら、こいつの隣に並ぶことがもっと似合ってたのかな」って。 「ばかじゃねーの」「なんだよそれー」と、笑いながら肩を叩き合う男子の集団を見たときは、「あいつらみたいにケラケラ笑って、思ったことなんでも口に出してたら、輝ももっと楽しいんじゃないかな」って。 「ーーっ。でも、お前の隣に並ぶのは、俺じゃなきゃイヤなんだよ」 我ながら女々しいな……なんて思うが、輝の隣に別の奴が立っている姿を想像してしまい、一筋の涙が頬を伝う。

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