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第8話
「……うん。それで……?」
輝は俺の涙を親指で拭い、ぽん……ぽん……と頭を撫でてくる。
「輝の……一番じゃなきゃ、やだ……。今も…………これから、先も。……だから--」
左手を勢いよく、輝の前に持っていく。
「これはもう、俺のもんだ! 輝がやっぱり返せって言っても……ぜってー返さない」
普段は絶対に言わないような言葉。
クリスマスっていう特別な日だからか? 俺の口から、スラスラと出てくる。
自分で言ってて恥ずかしくなり、最後の方は小声になってたけど……。
「……その言葉、忘れないよ?」
--ギュッ。
「素敵なクリスマスプレゼントをありがとう。透らしい愛の言葉……俺の一生の宝物だよ」
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