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第4話
家に着くと寝室のベッドへ雪崩れ込む様に荒川を押し倒した。
仕事に私情を混ぜたのは初めてかもしれない。
ましてや警察なんてものが私情を交えていいはずがないのに、俺は一体何をしているんだか。
けれど俺は、今まで感じたことのないほどの強烈なフェロモンにあてられ、興奮した自分を止めることはできなかった。
「荒…川……っ」
「……みくり」
「あ?」
「みくりって呼んで、刑事さん」
体を揺さぶられながら必死に懇願してくる姿はどうにも誘っている様にしか見えず、俺は荒川を反転させて、より深く俺をねじこんだ。
「ぁっ…、あ……」
「気持ち…良いかよ、みくり…」
「はっ…ぁあああ……、け…じさん…の名前…は……?」
「剛だ」
「んっ…、んぁっっ!!剛!!剛さ───っ」
最奥の壁を勢いよく突いたせいか、荒川は喉をそらしながら達し、パタと気を失った。
あどけない顔で眠る荒川に布団をかけて、これからどうするか思案した。
万引き自体は大して重要視されてないのだが、こいつに至っては10万円分の窃盗疑い、及び銃刀法違反による強盗罪だ。
誰も傷つけていないから刀もなんとか揉み消せる。
あとは10万か……。
どちらにしろ検察に起訴されて仕舞えば終わりだ。
それはもうこいつの運によるが……。
って………、
なんで俺はこんなにこいつの罪を軽くしようと必死なんだ。
フェロモンにあてられて一度抱いてしまっただけじゃないか。
「………あき……」
幸せそうな顔で荒川が呟く名前は、死んだ番の男の名前。
あんなクズをどうしてそんなに愛せるのか。
その一途な気持ちは俺に向けられることはないのか。
「…………何なんだよ、クソ」
一度きりのつもりだったのに、いつのまにかこんな面倒な男に夢中になっている自分に舌打ちを打った。
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