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第5話

しばらく寝顔を見ていると、荒川は唸りながら目を覚ました。 「あきら……?」 「ちげぇよ。貝塚だ、貝塚。」 「あ…………」 荒川はガバッと体を起こし、素っ裸の自分を見て驚いたようにシーツを手繰り寄せた。 どうやら発情は治ったようだ。 まあ一時的だからなのか、ほんのりとフェロモンは漂っているが、これくらいなら普通に耐えられる。 「おまえさ、俺の番にならないか?」 「は?」 少し考えていたことを言うと、荒川は俺を不審な目で睨みつけてきた。 「まぁ、いきなりこんなこと言われてもそうなるよな。けど、俺はおまえが気に入ったんだ。これからは俺がおまえを養ってやる。性欲だって満足させてやる。どうだ?悪くない条件だと思うが…」 「い、嫌だ!!俺には明が……っ!!」 「あのなぁ、おまえの番は…」 「んなこと知ってるよっ!!……死んだんだろ。番なんだから、分かる……」 「なら…」 「あいつが死んだって、俺はあいつのことがす……っっ?!!」 荒川が俺以外の誰かに『好き』と、そんな言葉言わせてたまるかと荒川の唇をふさいだ。 「ん……、ぁ…、ん…ふ…………ぁ……」 「俺にしろよ。あんな男忘れて仕舞えばいい」 「うるさっ…、ぁ…くっ………、んんぅっ…」 チュクチュクと淫らな水音が部屋に響き、荒川は抵抗をやめて、少しずつ俺に体を預け始めた。 「もう一度抱いてやる。荒川、おまえが俺に強請ったらおまえの負けだ。」

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