6 / 8

第6話

「ひ、ぁああ───ッッ」 俺の下で淫らに揺れるのは紛れもなく荒川だ。 荒く呼吸を乱し、快感の波に飲まれかけている。 もう少しで落とせそうなのだが、荒川が感じるたびに溢れ出すフェロモンに俺も限界を感じていた。 「気持ち…ぃ…、ふぁっ……、剛っ、剛!!」 「まだ始めて5分だぞ。根を上げるのが早いんじゃないか?」 「だって……!!意味わかんないくらい気持ち良い…っ、脳みそ溶けそ……」 ギュゥっと中が締め付けられ、俺は危うく達しそうになった。 どうもこいつとは相性が良すぎる。 「なぁ、みくり………」 「ふっ…ぁ………!!」 「俺たち、運命の番ってやつじゃないか?」 「──っ!!違う!!」 「おまえだって薄々感じているんだろう?こんな快感初めてだ………、そう思わないか?」 「アッ…アアァァァア!!!!」 耳元で囁きながら思い切り中を抉ると、荒川は大きな声を上げながらドバッと精を吐き出した。 「ん……、んぅ……剛……もっと……」 「もっと気持ち良くなりたいなら首を出せ。天国に連れていってやる」 「剛…っ」 低俗であるΩはやはり性欲には弱いらしく、荒川は呆気なく俺に項を差し出した。 荒川の項にはまだ桜田が付けた噛み跡が残っていて、俺はそれを消すように上から噛み付いた。 「いっ…!!!」 噛み付いた部分から俺の好きなフェロモンがブワッと放たれ、本能のまま荒川に飛びかかった。 初めての番との性交は恐ろしいほどに俺に快感を与えた。 もしかしたら荒川と俺は、本当に運命の番というものだったのかもしれない。 番関係を結んで丸二日、俺は出勤もせずにひたすら情事にのめり込んでいた。

ともだちにシェアしよう!