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第6話
「……んで、だめ、なんだ……ここは、反応するのに……」
ぽたりと頬に何かがあたって、俺はハッとする。
大きく膨らみ始めてる俺の股間に手を置いて、新が涙を零して泣いていた。
「どうして、『別れる』って……なんで……」
こんなに好きなのに、と呟くや否や新の目が憎しみにこもったものになり、俺を睨んできた。荒々しくワイシャツのボタンを無視して、力ずくで開くと充血しつつある突起に噛みつかれる。歯をたてたかと思うと、優しく舌先で突かれる。
「新……やめっ、んぅ……ああっ」
「やめない」
口を離すと、次はズボンのベルトを外される。ガチャガチャとなり、ズボンもパンツも一気におろされる。靴が邪魔だったらしく、ズボンも靴も一緒くたに脱がされ、投げられた。ドアに向かって投げられる。
「ちょ……だめ、だ。痛い……から。はいら、なっ……あっ、ああああ」
「なら、僕の精液をかければいいだろ? すぐに……濡らしてやる」
くっ、と小さなうめき声とともに、尻が何かで濡れた。
「ほらね。僕は藤原の身体を見ただけですぐに抜けるんだ。それくらい好き、なんだ! 入れるよ」
「あ……まっ、だ……ん、んんんぅ、あっ!」
精液で濡れたとしても、解されてない孔に新のデカいのを突っ込まれれば痛い。
俺は新の腕にしがみつくと、痛みで顔を歪めて、小さく震えた。
「好きなのに……どうしてダメなんだ」
「あ、あ……ん、やっ、あら、たぁ……」
苦しい。痛いのに……痛いだけじゃないのはなんで?
息が……。呼吸の仕方が……わからなくなる。
ずるい。力任せで、怒りに駆られた行為なのに、どうして俺は、心の奥で悦んでいるんだ。俺を睨みながら、涙を流し、腰を振る男がこんなにも愛おしくてたまらない。
新の腕を掴んでいる手からメモリースティックが、するりと落ちて俺の目の上に落ちた。
「いっ、た」
尻の痛みよりも大して痛くないのに、瞼を閉じて顔を歪めた。
「これ、邪魔だね」と言い、新はメモリースティックを床の上を遠くへと滑らせる。スーッと離れていくメモリースティックはベッドの下へと入っていった。
「あ……」
新の努力の結晶が。昼夜おしまず研究してきたデータが。
俺が取りに行こうと身体を動かすと、腰をぐっと掴まれて動かないようにホールドされる。
「行かせない」
新の低音ボイスが聞こえるなり、激しく奥を突かれる。早いリズムの律動が、俺の脳内を蕩けさせていく。
全身を駆け巡る快感に、身体も頭もおかしくなりそうだ。
いつも……こんな激しくないのに。奥が熱い。
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