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第7話 *微

 またもや豹変したように笑みを浮かべるアリス……サンは、呆然とする俺の上着を瞬時に脱がす。  俺が『抵抗しなくては』と我に返った時には、遅かった。 「はい、両手はバンザ~イ。そうそう、いい子だね~」 「ちょ、なっ、おまー―」 「力でボクには敵わないって、一回じゃ分かんないのかな~? 頭弱いねぇ、バカだねガキだね~?」  俺に子供扱いされたのが相当面白くないのか、アリスサンの動きと言葉には悪意しか感じない。  脱がされた衣服で両腕を縛り付けられ、頭上に固定される。そのままアリスサンは慣れた手付きでズボンにまで手をかけてきた。  当然、俺は抵抗を試みたさ。だけどアリスサンの言う通り……力では敵わない。 「ハハッ! 必死だね~? 大丈夫ダイジョーブ! 性夜でしょ? 処女を完全メス堕ちさせんのはボクの得意分野だから」 「得意だと逆に困んだよッ!」 「よく吠える犬だな、マジで」  ズボンはおろか下着まで膝の辺りに下ろされ、ジタバタと暴れてみる。しかしそんなもの痛くも痒くもないと言いたげに、アリスサンは俺の頭が乗せてある枕から、ある物を取り出す。それを見て俺は……戦慄した。 「はい、力抜いてね~」  ――それは、ローションボトルだ。  アリスサンは親指でパチンとボトルのフタを開けると、自分の指にローションを垂らし始めた。セックス大好きな俺には、その行為の意味がしっかり分かる。  ――順調に、抱く準備が進められているってことだ……! 「ま、ちょッ、マジで待てってッ!」 「これでも結構待ってる方だけど?」 「とんとん拍子で進めてやがるだろうがッ!」  アリスサンの奴……ご丁寧にローションを手の上で人肌に温めてやがる! メチャクチャ慣れた手付きだ!  このままじゃ本気でヤバイと思い、決死の抵抗を試みるが……アリスサンはそれを良しとしない。俺が身じろげばすぐに片手でいなされ、脚で押さえ付けられる。 「力抜かないと切れるかもしんないから、気を付けてね~」 「人の話を――」 「はい、そ~にゅ~」  アリスサンが宣言した――その瞬間。 「ぎぁッ!」  ――とうとう俺の中に……座薬以外の異物が挿入されてしまった。 「うわっ! キッツキツ! お兄さんの処女アナルかわい~! ……悲鳴はブッサイクだけど」 「ふ、っざけんなッ! マジで、抜――ぎ、いぁッ!」 「もう少しマシな声出してよ、萎えんじゃん」  ヤられる側は初めてだが、アリスサンの指が何をしたいのかは分かる。そう……俺のナカを、ほぐそうとしているんだ。  ローションでヌルヌルになったアリスサンの指は見た目通り細くて華奢だけど、見た目に反して容赦がない。一気に根元まで突っ込んだかと思うと、何かを探るかのようにグリグリと内側で動いている。  時々指を曲げて一本の指で太さを増してみたり、内側を指先で擦るように引っ掻いてきたり……初めてとは到底思えない。 「マジ、で……や、やめ……ッ」  どうやら『バリタチ』というのは虚勢でも何でもなかったようだ。

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