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第13話 *

 噛み付きそうな勢いで叫んだ俺を見て、悪魔みたいな天使みたいなアリスみたいなアリスサンは、にんまりと笑った。 「ふ、ははっ! 素直だね~?」 「く……ッ! うる――」 「ごほ~びっ」  ――瞬間。奥まで一気にチンコが突っ込まれる。 「がハッ!」 「ほんっと! 声だけブッサイク!」 「知る――あッ、あァッ!」  ヤバイ。ヤバイヤバイ、ヤベェ!  抜いて挿れて抜いて挿れて……まるでこなれたところに突っ込むような乱暴さで犯されているのに、ヤバイ!  ――目の奥が、チカチカする。  ――ケツの奥が『もっと』って欲しがって。  ――男に犯されて、気持ちいいとしか思えない。 「はァッ、あッ! 奥、がッ! チンコで、ヤバく――あッ、アッ!」 「うんうん。気持ちいいんだね?」 「ゥあッ! あァッ、あッ!」 「あ~……すっごく締まってる。ほんっと、これだから処女って最高なんだよね~っ」  卑猥なグチュグチュって音も、今じゃどうだっていい。  アリスサンのチンコが更に硬くなった気がして、質量と熱を増したから……同じ男として、あることに気付いてしまった。それが今は、何より重要で重大な問題だ。 「なッ、あッ! ま、さかッ!」 「出すよ? ゴムしてるんだし、別にいいでしょ?」 「そ、れは――ァああッ!」  腰を掴み直されて、奥の奥まで狙いやすいように持ち上げられる。  これはもう完全完璧に、絶頂へのラストスパート……ッ! 「アホがッ! お、男の、ナカでッ! あッ、ぎ、ぃアァッ!」 「あ、お兄さんもイキたいよね? おっけ~」 「はッ? 嘘だろ、やめ――ひぐゥッ!」  腰を掴んでいた片方の手が、あろうことか俺の勃起したチンコに伸ばされた。それはもう慣れた手付きでしっかりと握って、熟知してるかのように扱き始める。オマケに、腰の動きは激しさを増していた。  ――そんなの、耐えられる筈がねぇ……ッ。 「あッ、あァッ、あッ! 出る、出――ひ、ぃアァァッ!」  腕を固定され、脚だって満足に動かせないまま……俺は背をしならせた。  それとほぼ同時に、アリスサンの体が震える。 「く、う……ッ!」  整ってはいるけれど幼い表情を苦しそうに歪めて体を強張らせるアリスサンは、どこからどう見ても男だ。  ――ゴム越しでもハッキリ伝わるくらいケツのナカに注がれてる、熱がその証拠。 「あ、あァ……ッ、は、あ……ッ!」  声にならない声が勝手に出る中で、酸素を取り込みつつ力を抜いていく。アリスサンもアリスサンで、肩を上下に揺らして呼吸を整えているようだ。 「はぁ……は~……っ、ははっ」 「何、笑ってんだよ、クソ……ッ」 「ん~?」  ゆっくりとチンコを抜かれて、体がゾワゾワする。全部抜かれると、大事なパーツが抜け落ちたかのように落ち着かない。  そんな俺の心情なんて知らないアリスサンは、満足そうな笑みを浮かべる。 「ボク的に、最高の性夜だったな~って」  うるせぇ。  そんなの、こっちだてそう思いかけてんだよ、バーカ。

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