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「え…まじな話?」
「まじ」
「さすが俺の弟だ!!やったな」
ワシワシっと頭を撫でられる。
「ちょ、それはウザイってば…反対しないの」
「…まぁ、俺としては?好きではないけど…反対してほしいのか?充が楽しそうだからそれでいいよ」
「兄ちゃん…」
兄とのじゃれあいを見守ってくれる龍星の表情は今まで見た中で一番優しかった。
「そ、そうだ!ご飯!俺が作るから…!先輩、料理は?」
「まぁ、上手くはないけど…」
「手伝ってくれ!」
「俺、客じゃねーの(笑)」
「…一緒にやる方がいいだろ。俺が台所立ってたら相手してやれないし…」
何言ってんだ…恥ずかしい。
「ふーん…確かに。何作るんだ?」
「今日は人数多いし、簡単に出来て量が作れるやつ。カレーとか?」
「それならいける」
材料あったかな…。
冷蔵庫を確認して安堵する。
これなら大丈夫か。
少し具が少ない気もするけど。
「じゃがいもお願いします」
「おー」
テキパキと鍋に具材が入っていく。
「ッ…いて…」
「え?」
見れば龍星の指から血が出ていた。
まさか!切った?
「貸して!」
手を取って口に入れる。
あ…間違えた。
「ごめん!!」
「ん?なにが?もっと舐めてもいいけど?」
ほらほらと言わんばかりに血の出る指を唇にトントン当ててきてニヤニヤ笑っている。
なっ…!
ば、バカにして〜っ!
予想外すぎるんだよ、いつも!
「もうしない!」
「残念」
手を払い除けてから救急箱を持ってきて、指に消毒と絆創膏を貼りつけてやる。
「終わり。…ご飯も出来てるからお前ら手伝え!」
食器を分担して並べる。
「いただきます」
一斉に食べ始める。
カレー皿を置いてもまだ食べ始めないのは弟だ。
読書に夢中になってるみたいだ。
「樹生。食べないのか」
見かねた兄が聞く。
「…あとで食べる」
そういうなり、部屋に帰ってしまった。
予想外だった。
皆で揃ってご飯を食べる…。
我が家は決まってそうだったのに。
反抗期か?
「なんだあいつ…反抗期か?」
兄ちゃんと思考回路が同じだった…。
「…ま、分からないでもないけどな」
「分かるのか!?」
龍星は樹生の去った方をチラりと見てから1口食べてから言う。
「よく知りもしない、しかも身内の恋人が男だなんて、そりゃ嫌だろうな。俺だって家族の誰かが俺と同じだって知ったら嫌だからな。複雑なんだろ、あの歳だしな」
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