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4,幸せの対価

「俺たちのクラスは執事メイド喫茶で決定します。あとで嫌だとかは無しにしてくれよ」 「はーい」 そう、文化祭の出し物についての話し合いがあったのだ。 自由な学校だからこそ、自分たちがしたいことをしようってことだ。 メイド喫茶とか、執事喫茶は女の子の憧れらしいしな。 ハメ外したっていいだろう。 予想してたことだけど、実行委員は俺が指名されてなった。 話し合いをまとめ終わると席に戻る。 「おつかれ。実行委員は準備免除になるからラッキーだと思えばいいじゃん。伊藤龍星は何やるのか聞いてるのか?」 隣の席の三鈴だ。 「ありがとう。指名されなくても俺がやるつもりだったよ。免除があるしな!…それが知らないんだ。あとで聞いてみる」 「今年は俺と行動しなくていいからな。伊藤龍星と一緒がいいだろ?俺も一緒に回りたい人がいるから」 「それはありがとうし、そのつもりだけど…え、三鈴の方がびっくりなんだが…俺以外にそんな人が!?」 「…充、バカにしてる?俺は友好関係いいんだ、俺しか友達がいない充と違って。まぁ、でも充のよく知る人だけど、内緒」 「はぁ!?尚更気になる!」 「内緒。知るにはまだ早すぎるから…」 いや、意味わからんし…。 まぁ、三鈴が言うんだから分かんないけどそうなんだろう。 三鈴の言うことなんだから。 「そのうち教えてな」 「うん」 スマホの画面を開き眺める。 聞いてもいいんだろうか。 LIMEを開き「龍星」のトーク画面で内容に思案する。 「聞かないの?」 「き、聞くけど…」 人の反応うかがいすぎても良くないよな…。 〈文化祭なにやる?〉 〈タピオカ〉 返信が早い! 送ってから秒で既読が付いた。 ピコン 〈女子が張り切ってるからな。最後だし。まぁ、俺関係ないけど。行かないし〉 あれ…。 当日当日休むのか? 時間が合えば一緒に回りたいと思ってたりしたのに。 なんだ、そうか…。 …なんか、残念だな。 けど、去年も参加してなかったっけ。 〈ちょっと気になって聞いただけ〉 と咄嗟に送っていた。 色々考えてたのに、恥ずかしい。 なんだ、そうなんだ。 「どうだった?」 「んー…先輩、行かないんだって」 「え?まじで?」 だよな…俺だってそういう反応する。 無理に誘うこともないよな。 先輩みたいなタイプ、参加する方が少ないもんな。 仕方ないって思うしかないよな。

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