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「あっ……っ!」 「伊東、抑えてろ」 「……了解」  こうなると……叶多の小さな抵抗など、全く問題にはならない。いつの間にか近づいていた伊東に手首を持たれ、机の上に縫い止められて先程までと何ら変わらない体勢にされてしまう。 「な、何をっ……」 「ごめんね」  困ったような笑みを浮かべる伊東が瞳に映るけど……そんな事よりも胸元をなぞる須賀の指が怖かった。  ――やっぱり……助けに来た訳じゃないんだ。  一瞬頭を過ぎった期待は裏切られ、現実にはこんな時、都合良く助けは来ないと思い知るだけの結果となる。  ―― 分かってたのに。 そう……頭の中では分かっているのに、いつもささやかな希望を抱いてどん底へと落とされる。 「……っ!」 「これ、誰につけられた?」  煙草の痕に爪を立てられて、全身が強張った。 「……関係……無い」  どうしてそんな質問を須賀がするのか分からないが、答えたところで知る筈も無く、言えば余計にみじめになる。だからそう返したが、それは間違えだったとすぐに思い知らされる事になった。 「そうか。なら言わなくて良い」 「いっ!……痛っ!」  声は低く静かなままだが、爪で痕を引っ掻かれ……痛みに思わず声を上げると、一旦離れた指が今度は腹をなぞって下にいく。 「お前は……俺の呼び出しに応じずに、こんなところで他の生徒と遊んでた。命令に背いたんだから、それなりの罰は覚悟してるんだろう?」 「……いっ!」  閉じた脚を無理矢理開かれ、恐怖と羞恥で身体がガタガタ震え出す。  遊んでなどいない事は、見れば明白な筈なのに……言い掛かりを付けいたぶるのが目的だとすぐに分かった。 「抑えろ」  須賀の放った一言で、固まっていた周りの生徒が動き出す。 「や……止めっ」  見下ろした視線の先、自分の脚が片方ずつ知らない生徒に掴まれて……無表情を崩さずペニスに指を伸ばしてくる須賀を見た途端、震えは更に酷くなって歯がガチガチと音を立てた。

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