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「ん……んぅっ」
「そんな顔をしても無駄だ。俺は、騙されたりしない」
結局、口を解放された時には呆けたようになっていて……須賀が何かを言っているか、理解するには至らない。
だけど、続いて襲った衝撃に……酸素を求めて開いた口から悲鳴に近い声が出た。
「いっ!やっ……あ、あぁっ!」
メリメリと……肉を掻き分けるこの痛みには、過去に一度だけ覚えがある。
「やっ、ひっ……あっ……あうぅ!!」
だけど、その時以上の酷い痛みに、堪らず叶多はのたうった。
「……なんだ、まだ準備してなかったのか?」
さっきアナルに触れのだから、分かっている筈なのに、何食わぬ顔で須賀は尋ね、挿入しかけたペニスを抜く。
「知ってた癖に」
少し離れた場所から見ていた男が呆れた声を出し、ポケットから出したクリームを須賀へ向けて放り投げた。
「どうだろうな」
それを受け取り、僅かに口角を上げて微笑む須賀の姿に、難を逃れたばかりの叶多は再度身体を強張らせる。
「お前……反省してないだろう」
「反……省?」
濃厚なキスとアナルの痛みで頭の中はパニックを越え、真っ白に染まっていた。何故反省が必要なのか? 何故こんな……酷い仕打ちを受けなければならないのか?
そんな、平常ならば浮かぶ疑問が全く頭に浮かばない。
だから。
「めん……ごめん…さい」
反省すれば終わると思って謝罪を口にしてしまう。条件反射の行動だから、それが須賀に通用するかはこの際問題では無かった。
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