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「あぅぅっ、や……やぁっ!」  ―― いたいっ……いた……い。  何故、自分ばかりがこんな目に合わなければならないのか?  散々思って来た疑問が頭の中を巡るけど……きっと彼等は口を揃えて叶多が悪いと言うのだろう。  ―― もう……嫌だ。今だけ、今が終わったら……。 「うぅっ……くぅ、やぁっ!」  この学園から逃げ出そうと、痛みに悶える思考の合間で叶多はそっと決意した。須賀の父親の助けがあって、母の医療費や前の学校で起こった事から救われた。  運命だと思った。  神様なんて何処にもいないと思って過ごして来たけれど、もしかしたら……どこかで見ててくれたんじゃないかと胸の片隅で期待した。だけど。  ――やっぱり、神様なんて、どこにもいない。 「考え事か? 余裕だな」 「ひっ……あぁぅっ!」  一際強く叩かれた尻がジンジンとした熱を持ち、のけ反った途端見えて来たのは手首を握る伊東の顔だが、無表情な彼に救いを求めるなんて出来やしない。 「やっ……うぅっ」  ―― 明日、明日になれば……。  何度も何度も打たれる内に感覚が徐々に麻痺してきて……思考も大分あやふやになったが、それでも必死に堪えていると、須賀の掌が一旦止まって舌を打つ音が小さく聞こえた。 「……くっ、うぅっ」  ヒリヒリと痛む臀部を撫でられ爪先が宙を空しく蹴る。

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