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「酷いな」
「……いっ!」
裂傷が出来たアナルの渕を、須賀の指先がくるりとなぞる。
自分がやった癖に何を言っているんだと思わなければ、おかしいような発言だが……羞恥に震え、身体を朱く染めて耐えている叶多の耳には、音は聞こえてもその意味までを考えられる余裕が無かった。
「っ!やっ……あぅっ!」
何かのぬめりを帯びた指先が、ツプリと孔内へ入って来て……圧迫感に呻くとすぐさまそれがグリグリと浅い所を掻き回す。
「ん……うぅっ」
「これ位でいいか」
何をどうするつもりなのかも分からずにただ震えていると、直ぐに指は外に出たから、これで終わりかもしれないと思い身体の力を少しだけ抜き、腹部の痛みを逃そうとして浅い息を繰り返していると、またアナルに何かが当たり、無機質な物がズブリと中に捻じ込まれた。
「ひっ!な……なに…をっ」
それが何かを確かめる為にどうにか首を後ろに捻ると、信じられない光景が……瞳に映り込んで来て。
「やっ、やめっ……やぁっ!」
シャワーヘッドを取った状態のホースが挿し入れられたのだと……頭が理解するより早く、須賀が蛇口を押すのが見えて、目前の景色がグラリと歪んで血の気が一気に引いた。
「あっ……やめっ……う、ゔぅっ!」
下腹辺りが徐々に圧迫される感覚に……叶多は何とか逃げようとしてタイルを爪で引っ掻くけれど、無駄な足掻きは鼻で笑われ臀部をビシリと叩かれる。
「いっ……やぁっ!」
「暴れるな。痛くは無いだろ?」
こんな事を強いておいて、温度の無い淡々とした声で告げて来る須賀が恐ろしい。叶多も同じ人間だなんて微塵も思っていない事が、伝わって来るから余計に自分が惨めで堪らなかった。
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