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「ん、んぅぅっ……」 「少しこのまま我慢してて下さい」  淡々とした声音だけれど、その表情から見下されてると叶多にはすぐに分かってしまう。いたたまれず、逃げるように叶多が視線を逸らした刹那、力の入らぬ脚を開かれ硬い何かが尻に触れた。 「さあ、出してもいいですよ」  それは……プラスチックで出来た小さなバケツのような容れ物だったが、自分の体が邪魔になって叶多からは見られない。  ―― やだ。こんな……。  諦めれば楽になれると頭では理解できるけど……孔からノズルが引き抜かれると、いきみたくなる本能よりも羞恥心が勝ってしまい、結果我慢をしてしまう。 「ん、んっ……」 「どうせ精液しか出ませんから、気にしなくても大丈夫です。此処にそのまま出して下さい」  ―― そういう…問題じゃ……。 「仕方無いですね」 「んっ……ふぅっ!」  呆れたような溜め息の後、ズブリとアナルに2本の指が無遠慮に突き立てられて、Vの形に開かれた。 「ゔっ、うぅっ!」  無理矢理アナルを抉じ開けられれば、堪える術は他に無い。 「最初から自分で出せば、恥ずかしい思いもしないで済んだのに……少しは学びましたか?」  指を引き抜いた射矢が放った言葉が胸に突き刺さった。 「くっ……うぅっ」  開いてしまった後孔から、湯と精液が混ざった液体が音を立ててバケツに落ちる。目の奥がツンと痛くなるけど、泣いたら余計惨めになるのが分かっていたから我慢した。  ―― 貴方逹が、勝手にやった癖に……。  悔しいという感情が、叶多の心を満たしていく。悪い事などしていないのに、何故自分がこんな目に……と、ここに来てから何度も何度も繰り返し考えた。

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