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「怖がらなくていいから、もう一回目を閉じな。今は誰も、何も、しないから」
伊東の声に促され、叶多は再度瞼を閉じた。本当はすぐに起き上がって、逃げ出したいと思うのに……身体の方が全く自分の命令を聞かず堕ちてしまう。
「もう少し……辛いだろうけど、……から」
自分に繋がる点滴の管の存在にすら気付けないまま、意識を飛ばした叶多の耳に、伊東が小さく囁く声が途切れ途切れに響いて来たが、混濁している頭の中ではその意味までは分からなかった。
次に意識を戻した時には辺りは闇へと包まれていて、熱に浮かされた叶多が虚ろに宙へと視線を彷徨 わせると、突然頭上のライトが灯って眩しさに目がチカチカした。
「あっ……ん、んぅっ」
間髪入れずに口へと何かが触れてくる。それが人の唇なのには、すぐに気付くことが出来た。
「んっ」
舌で歯列を割り開かれ、水分が中に注がれて……むせ返りそうになりながらも、どうにかそれを飲み込むと、一旦口が離れていって同時に瞼を掌が覆う。
―― だ……れ?
「んっ……ゔぅっ」
もう一度、同じ行為を繰り返され、今度はむせた叶多の口から水が零れて頬を伝った。
咳き込む自分の声と同時に舌打ちの音が聞こえてきて、竦み上がった叶多の身体はまたカタカタと震えだす。
「うぐっ……やぁ、んぅっ」
また唇を塞がれた。今度は水こそ入って来ないが、ゆっくりと蠢めく舌が叶多のそれにザラリと絡んで、吸われたり甘く咬まれる度に妙な感覚が背筋を這う。
「ん、ん……んぐぅ」
更に……布団を捲った彼の指先が直に肌へと触れてきて、叶多は酷く混乱するが、相手が誰だか悟ってしまえば抵抗できる筈もなかった。
―― なっ……なん…で?
胸の尖りを確かめるように指の腹が円を描く。
「ふっ……うぅっ」
何度も何度も撫でられる内に芯を持った小さな乳首を爪でピンと弾かれて、叶多は刺激に呻きながら細い身体をビクリと揺らした。
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