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「あっ……やぁっ」
「抵抗しても、無駄だ」
ようやく息を継いだタイミングで下半身が外気に触れ、叶多が小さな喘ぎを漏らすと、ようやく口を離した須賀が冷たい口調で言い放つ。
そんな事は分かっているが、勝手に動いてしまう体をどうする事も出来なかった。
「ひっ!」
「来い」
唐突に立った須賀に手首を掴まれ上へと引っ張られるが、腰が抜けてしまったように足に力が入らない。
「くっ……うぅ」
それでも酷くされたくは無いから懸命に脚に力を込めると、焦れたような舌打ちが聞こえて身体が宙にフワリと浮いた。
「あっ……」
「大人しくしてろ」
無造作に肩に担がれる。
「軽いな」
抑揚無く呟やかれた言葉に、惨めだ……と、自分の立場を再認識して唇を噛む。
元々華奢だと言われていたが、環境が変わってからは食もあまり進まないから、前より更に軽いはずだ。同年代の同じ男にこうもいいように扱われ、抵抗さえも通じないなんて、自分で自分が情けなかった。
「うぅっ」
寝室へと移動した須賀にベッドの上へと放り投げられ、衝撃に小さく呻いた叶多が身体を:起こそうとすると、何か瓶のような物が傍 らへと落ちて来た。
「解さないと、怪我するんだろ?」
「え?……でも……」
着衣を取り払われてしまった下半身を片手で隠し、手に取って確かめてみると、lotion(ローション)と飾り文字で書いてあるのが読み取れる。
「別に、お前のケツがどうなろうが、俺は全然構わないし、痛いのが好きだっていうなら無理強いはしない。また何日も寝込みたく無ければ、自分で準備しろ」
まるでそれが当然とでもいうような声が降りて来て、恐る恐る視線を上げると、無表情にこちらを見つめる双眸と目が合った。
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