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「ひっ……ゃあっ!」
―― こんなっ! なんで?
仰向けにベッドへ倒され、両脚を担ぎ上げられて……膝裏を掴み直した須賀が、そのまま叶多の顔の両脇に膝が付いてしまう位、強くそこを押しつけた。
「ここ、自分で持ってろ。離したら縛るから」
至近距離から見下ろされ、余りの恐怖に羞恥を感じる余裕も無いまま、叶多は自ら膝裏を掴む。
「あっ……くぅ」
折り曲げられた無理な体勢に腰が浮いて不安定になるが、すかさず須賀がクッションを挿し込み、まるで自ら尻を差し出しているような格好にされた。
「あっ」
視線の先、ボトルを手にした須賀の姿が目に入り、思わず顔を背けようとすると「見てろ」と短く命令されて、縛られてなどいない筈なのに、身体が言う事を聞かなくなる。
「随分可愛がられて来たのか? それとも、いつもそうやって初心 なふりして、相手に全部させてたのか?」
身体に付いた痕跡を見れば、どちらでも無いとすぐに分かりそうな物だが、叶多を甚振る為であれば理由なんてきっとどうでもいいのだろう。
「そうか」
そして、全く返事もしていないのに勝手に納得した須賀は、手にしたボトルを逆さまにして、直径二センチ程の口を叶多のアナルに捩じ込んだ。
「やぁっ! ……あ、あぅっ!」
ビクッビクッと身体が跳ねる。注ぎ込まれる冷たい液体に堪らず身体を捩るけど……こんな不自由な体勢では、ユラユラと尻が揺れるだけだ。
「これで大分マシだろ」
「んっ ……くぅぅっ」
嘲笑うように喉を鳴らし、独白のように呟くと、須賀はグリグリとボトルの口を更にアナルへ押し込んで来る。
苦しさに手を出そうとすると、「離すな」と、冷たく言われて叶多は自分の膝の裏側に爪を立て、唇を強く噛みしめた。細く白い身体が徐々に赤い色に染まっていくのは、決して快楽からではなく、思うように呼吸が出来無くて酸欠になっているからだ。
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