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「あっ、やぁっ……」 「大人しくしてろ」  泡で満たされた浴槽の中、背後から脚の間に叶多を挟み込むような形を取ると、前に回した長い指先で叶多の胸へと触れてくる。 「やっ、やめっ……」 「洗ってやるから静かにしろ」  堪らず叶多は抵抗するが、須賀は全く取り合わない。 「くっ……うぅ」  昨日の余韻でヒリヒリと痛む乳頭を指で刺激されれば、過敏になってしまったそこから甘い疼きが湧き出した。 「ふっ……んぅ」 「痛いか?」  耳たぶを舐めた薄い唇が低く囁き掛けてくるのに、懸命になって頷いていると、指は一旦乳首から離れ鎖骨の辺りへ移動する。 「アイツ…… 佐野と、何してた」 「……な、なにも」 「本当か? キスしてるように見えたが」 「……そんなっ、してな……です」  何故そんな事を尋ねてくるのか分からず叶多は混乱するが、本当にキスはしていないから、はっきりとそう口にした。  常の須賀ならば、そうと決め付けて聞いてきたりはしないのだが……その変化に気付く余裕は今の叶多の中には無い。 「そうか」 「あっ」  腰の辺りを掴んだ須賀に身体をヒョイっと持ち上げられ、反転させられ跨ぐように膝の上へと乗せられて……今度は彼と向き合うような体勢を取らされた。 「顔、上げろ」  頭上から降った低い声音の命じるままに顔を上げると、思ったよりも近い所に須賀の端正な顔がある。 「コレは、何の痕だ?」  鎖骨辺りの火傷の痕へと指をゆっくり這わされて、何故そんな事を聞くのか分からず叶多は視線を下へと向けた。

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