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「今日、一番に取り上げる議題は、副会長とその従者が職務を放棄し、会長の従者を連れ去った件についてです。何か申し開きがあるならして頂きたい」  ―― 何? 意味が……分からない。  射矢の言葉が理解出来ない訳では無いが、その内容が思いも因らない物だったから、叶多は瞳を大きく見開き射矢の方へと視線を向ける。あの出来事が予測されていたなんて知りもしなかったし、ターゲットは自分だなんて言われても信じられなかった。 「申し開くようなことは無い。射矢が御園と繋がっているという情報を得たから動いた。これは俺の独断で、従者はそれに従っただけ……だよな」  それに答える伊東の顔は、いつもと変わらず飄々とした物だったけれど、隣に立つ瞬の表情はどこか不満げに歪んで見える。 「その情報はどこから得た?」 「佐野元生徒会長です。どちらが信用に値するかを考えたところ、彼の前職と小泉君のガードである現状を鑑みて、彼の話が正しいと言う結論に達しました。結果違っていたようですが、それについては俺の判断ミスで、他意があった訳ではありません」  須賀の質問に淀みなく答える姿に息を飲み込むと、叶多はチラリと隣の席に座る須賀へと視線を向けた。  自分の為に動いた所為で彼らが窮地に立たされているのは、事情を上手く飲み込めていない叶多にだって流石に分かる。 「それで、佐野の情報に振り回された揚句、奴にコレを連れ去られたって訳か?」 「そうです」  指で自分を指し示されて、叶多が慌てて視線を逸らすと、伊東の返事に「らしくないな」と呟いた須賀が突然席から立ち上がった。そして、 「事情は分かった。座っていい」 中央に立つ二人にそう告げ、叶多の方へと腕を伸ばす。 「射矢、次の議題だ」 「え?……あっ!」

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