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「お前の主 は誰だ?」
「……」
静かな声音でそう問われ、叶多はコクリと唾を飲み込んだ。
もう何度も言わされていて、自分の心に嘘を吐くのにも慣れてしまったと思っていたが、数日前に唯人の声を久々に聞いてしまったことで、心はかなり不安定になり、常に気持ちがざわついていた。
「言え」
「……貴方…です」
「分かってるならそれでいい」
喉から無理矢理声を絞り出し、何とか答えたその瞬間、須賀の表情が歪んだように見えたのは……きっと錯覚か何かだろう。
数日前、叶多の身体に灼熱のコテを押し付けたのは御園だが……目の前に居る残酷な男も、これまでかなり酷い仕打ちを叶多に課してきたのだから。
「あっ」
手首をようやく離した須賀に今度は身体を抱き締められ……驚きに声を上げた刹那、身体をずらした彼が首筋に唇を押し付けてきた。
「やっ……」
それと同時に片方の手が胸の尖りへ辿り着き、芯を持たない小さな突起を親指の腹でクルクルと撫でる。
「んっ……くぅっ」
椅子に背中を預けている為、下がって避けることも出来ず、直ぐに固くしこってしまった乳頭から広がる疼きに、堪らず叶多が身動ぎすると、僅かに反応しかけてしまった股間の様子を確かめるように、片方の膝で脚を割り開き須賀が椅子へと乗り上げてきた。
「ひっ!」
「アイツに……ヤらせたのか?」
乳首を強く摘みあげられ股間を膝で嬲られる。何度も違うと言っているのに、どうして彼はそんな質問をいつも投げ掛けて来るのだろう。
「……ない、そんなの、一度も……」
それでも返事をしないでいればもっと痛い目に遭わされるから、視線を合わせてそう答えると、一瞬だけ目を眇めた彼は、まるで奇妙な物でも見るような不思議そうな表情をした。
それは、他人から見れば表面的に大した変化じゃ無いだろう。
強制的な物とはいえ……長い時間を一緒に過ごした叶多だからこそ読み取れたのだが、本人はそれには気づかない。
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