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第四章

 第四章  痛い事はされなかった。  ただ、受け止めきれない程の快楽を休む間もなく与えられ――思考回路が全くまともに働かなくなっている。  彼からのキスを拒否した途端、細められた彼の瞳に本能的な恐怖を感じて叶多は初めて抵抗した。  力で適う訳などないと頭の中では分かっていても、それでも自分がそうすることで、もしかしたら、唯人が以前の優しかった幼なじみに戻るのでは無いのかと、心のどこかで期待した。だけど。 「いい子にしてた?」 「んっ……うぅっ」  胸元をツッと伝っていく指先の感触すらも、気持ちが悦くて堪らない。  視界の隅にチラリと入った唯人の姿を虚ろに見遣ると、叶多はノロノロうつ伏せになり、懸命に尻を持ち上げながら強請るように腰を振った。 「何回もイったみたいだね。気持ちよかった?」 「ふっ…ぅん」  アナルの縁をみっちりと埋めるバイブをズルリと引き抜かれ……その衝撃に出る物すらも殆ど無くなった尿道口から、ほんの少量の精液が溢れシーツに新たな染みを作る。  今の叶多は足首だけは枷で繋がれているものの……手は自由に動かせるから、唯人が部屋に居ない時間に抜こうと思えば可能だった。  だけど、どうしても――それが出来ない。 『悠哉に何か吹き込まれた? そんなに震えなくても、怒ったりしないよ……大丈夫、全部消してあげるから』  どれくらい前だったかすら既にあやふやになっているが、思わずキスを拒んだ叶多に唯人は優しくそう告げた。  それからすぐに叶多の口には口枷が取り付けられたが、その辺から記憶の方はかなり曖昧になっている。 「あとは自分で出してごらん。上手に出来たら俺ので埋めてあげるから」 「くっ……んぅっ」  バイブが抜けて食む物を無くした叶多のアナルはヒクリヒクリと伸縮し、そこから出ている二本の線がそれに併せてユラユラ揺れた。

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