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 どんなに辛い仕打ちを受けても、唯人だけは疑わず、ひたすらそれに耐える姿が愛しくて堪らない。  友情という鎖で繋ぎ、最後の最後に真実を告げて叶多を内側から壊す。それが唯人の望みであり、蓮が生きている間に彼に見せつけてやるつもりだった。 「ホント、残念」  だけど、それはもう叶わない。  蓮が息を引き取った後、父の取った行動を見て、限りなく黒に近い疑念は確信へと形を変えた。 「叶多は確かに蓮の子供だったってことだね……魔性だ」 「ん……ゔぅっ!」  硬度を取り戻してきたペニスで再度深く中を穿つと、弓なりに反った叶多の乳首を摘んで強く引っ張ってやる。  そうすると……まるで連動しているみたいに、体内(なか)が締まって、最高に具合がいい。 「痛い? 気持ちいい?」 「ふぐぅ……んうっ!」  ローターの振動を最大に切り替えた後、何度も下から突き上げながら、肩口に軽く犬歯を立てて柔らかな肌を強く吸った。その間、乳輪をゆるゆると揉む手の動きは休めない。 「蓮さんが見たら、なんて言うだろうね?」 「…んっ……ふぐぅっ」  意地悪な台詞を低く囁くが、やはり聞こえてはいないようで、もう空になってしまったペニスを懸命に扱き喘ぐ姿は、数ヶ月前の彼からはとても想像出来ないほどに淫靡だ。 「悠哉にも見せてあげたいな。何なら一緒に遊ぼうか?」  本気とも冗談とも付かない声音でそう囁くと、無意識だろうがキュッと孔が一際強く収縮したから、何故か胸がざわついた。  ――大丈夫……だ。  なにがあっても叶多は必ず自分を選ぶ。だから先日攫った時も、本人の意思で唯人の手を取ったのだ。 「もう、渡さない」  そう囁く唯人自身、自分の心の有りように、整合性がないということは既に百も承知している。  高校を卒業したら閉じ込めようと思った自分。  蓮が居なくなった上、他人によって汚された叶多を要らないと思った自分。  そして、悠哉から取り戻したあと、感情の抑えが全く利かなくなってしまっている自分。 「ふっ……んうっ」  いくら扱いても芯を持たない叶多のペニスを手ごと包み込み、動きを制して何度か穿つと、溜まらないといったように震えた叶多が脱力した。  倒れそうになった体を片手を伸ばして受け止めながら、独占欲で彼へと刻んだ焼印にそっとキスを落とす。 そして……意識を無くした彼の体内を散々堪能した後で、蒼白になった体を抱き締め、「放さない」と、小さな声で囁いた。

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