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 悠哉の予想が正しければ、生真面目な射矢は今まで相当悩んでいた筈だ。 「了解」  短く答える伊東もきっと、何かを感じていたのだろう。  それ以上は何も言わずに前を向いて端末で何かをし始める。  多分瞬に連絡をしているのだろうと推測しながら、再度悠哉は視線を落とし、浅く息を繰り返している叶多の顔をのぞき込み、そっと掌を布地の中へと忍び込ませると、自身を扱き続ける彼の掌を上からゆっくり包み込んだ。 「……っ!」 「大丈夫、好きなようにしていい」  途端、不安げに揺れる彼の双眸に、できる限り静かな声音でそう囁けば、僅かに戸惑いを滲ませながらも、また快楽を貪り始める。  その華奢な体を片腕で支え、彼の行為を促すように掌を何度か上下させると、あえかな吐息を漏らした叶多は何度か体を震わせて……絶頂を迎えたようにピクリピクリと痙攣したあと、既に限界だったのだろう――― 事切れたように脱力した。   ***  ―― ここは……。  うっすらと開けた瞳に映ったいつもとは違う光景に、叶多はゆっくり視線を動かし状況を理解しようとするが、まるで霞がかかったように頭の中がぼんやりしている。  ―― どこだろう?  柔らかな色彩によって統一された部屋の中には調度品が幾つか飾られ、自分が居るベッドの上には天蓋が付いていて……反対側の大きな窓からはテラスと青い空が見えた。 「目が覚めたかい?」 「っ!」  突如頭上から響いた声に、弾かれたように叶多は慌てて瞼を閉じる。 「そんなに怯えなくていい。僕は君を酷い目に遭わせたりしないから」  気遣うように布団の上から肩の辺りへ触れた指先に、混乱した叶多は思わず声の方へと背中を向けると、身体を小さく縮こまらせて掌で耳をギュッと塞いだ。  ――イヤだ、イヤだ、怖い。  だけど……これは唯人の指示だろうから、逆らうなんてしてはいけない。

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