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あの日以来、一度も拓かれる事の無かった後孔がズグリと疼く。
こんな状態を彼に知られれば、また淫乱だと揶揄 されるかもしれない……と、怯えながらも、一度絶頂を迎えた身体を抑えることも困難で。
―― でも、今は……。
自分より、昂っている悠哉のペニスを何とかするのが先決だ……と、疼く身体を抑えながらも叶多は両手を肩から動かし彼の猛りへと怖々触れる。
「お前……何して……っ」
驚いたようにそう言いながらも拒絶はされなかったから……叶多は精一杯の勇気を振り絞り、彼のペニスを扱き始めた。
***
「何かあった?」
尋ねてくる一希に向かって叶多が首を横に振ると、
「だったらいいけど、何かあったら言うんだよ」
と優しい笑みを向けられたから、背徳感に視線が泳いだが、それを相手に悟られているとは全く以て気づかない。
昨晩、ぎこちない叶多の手淫で達した悠哉の胸に抱かれ、その心音を聞いている内、いつのまにか疼きは収まり深い眠りに落ちてしまっていた。
そして、目覚めると夜は明けていて、悠哉は既にいなかった。
「悠哉は父親の名代でパーティーに行くから、今日は一日俺がいる」
一希の声に頷きながらも胸の奥が微かに痛む。
「もしかして、悠哉のほうが良かった?」
憂いを浮かべたその表情に、これは何かがあったのだろうと一希は内心確信するが、悪い変化ではなさそうだから敢えて尋ねはしなかった。
その証拠に、慌てて首を左右へと振る叶多の頬が朱く色づく。
「警備も万全を期しているから、そんな不安そうな顔しないで。少し体調も良くなってきたから、今日からリハビリを始めよう。新学期までにはちゃんと歩けるようにならないとね」
だから、朝食をちゃんと食べろと言われて叶多はコクリと頷いた。
警備という言葉でふいに唯人の顔が思い浮かぶ。
誰から自分を守ろうとしてくれているのか、分からないほど馬鹿ではない。
途切れ途切れしか記憶はないが、囚われていた間の唯人は、幼い頃から慕ってた彼とまるで別の人物だった。
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