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「叶多の孔、ヒクヒクしてる」
亀頭がアナルにピトリと触れ、叶多が体を打ち震わせると、そのまま徐々に体を落とされ唯人のペニスが挿入ってくる。
「……グッ……ッ!」
数日前、無理矢理アナルを抉じ開けられた傷も癒えぬまま、こうして度々貫かれるから、その都度広がる傷の痛みに震えながらも叶多は耐えた。
―― くる……しい。
みっしりと中を埋める塊に、吐き気が喉までせり上がる。繋がっている場所以外、支えのないこの体位が一番叶多にとっては酷だった。
「ああ、俺の形になってきた」
耳朶へカプリと噛みつきながら、唯人が囁きかけてくる。
たまらず否定したくなるけれど、叶多は何度も頷きながら、まるで『もっと』とねだるように、動ける範囲で腰を揺らした。
「随分、可愛いことするようになったじゃん」
従順になった叶多の身体を下から軽く突き上げると、ヒュッと小さく喉が鳴って体内が自身を締め付ける。
首から肩甲骨の辺りを走っている傷痕を、舌でベロリと舐め上げながら、唯人はこれまでない位の充足感に満たされていた。
所有物が反抗するなど唯人の中ではあり得ない。
犬だって、一度主と教え込めば一生忘れはしないというのに、学習しない人間の方が余程馬鹿だと考えていた。
「……それでいい」
「ゔっ……ん」
自分の命令だけを聞く、自分だけを拠り所にする、自分だけを見て、自分だけを盲信する……そうなるように時間をかけて仕向けたのに、逆らうのなら力と恐怖で支配するしかないだろう。
それはとても簡単だ。出来れば誉め、出来なければ罰を与える。
それだけで……最初はどれだけ抗おうと、最終的には従順になる。
「んっ……ぐぅっ」
肩に犬歯を立てながら、再奥の方を何度も穿つと、たまらないといったように身体を捩って叶多が呻くが、そんな事は気にもしないで更に動きを激しくした。
思い通りにならないのなら、いっそ壊してしまえばいい。
そんな、刹那的な衝動に突き動かされてしまうほどに、唯人は叶多に固執している。
だけど、縋っているのは自分の方だという真実には辿り着けず、自分にとっての理想を叶多に植え付けようとするあまり、いつものような思慮深さと冷静さを欠いていた。
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