＊＊＊ 「くっ……うぅ」 　もうどれくらいそうされているか分からない。 　胸の尖りを舐められたかと思えば指で捏ねられて、頭を掴んで剥がそうとしたら、今度はキスを落としてくる。 「ん……んっ」 　そうかと思えば空いた指先が臍の窪みへと差し入れられ、そこをクニュクニュ弄るから……どこへ意識を持っていけば、この愉悦から逃れられるか分からなくなってしまった瞬は、堪らず脚をばたつかせるが、体格差で勝る圭吾から逃れることは出来なかった。 「もっ……よせ！　痛い…からぁ」 　痛いというより乳首が熱い。 　怖くて見てはいないけど、なぶられ続けた尖りはきっと、腫れてしまっているだろう。 　泣き言みたいで嫌だったけれど、このままされるが侭になっては、自分が自分じゃなくなるような、そんな恐怖がわき出した。 「ごめん、痛かった？」 「あぁっ」 　一旦動きを止めた圭吾が、不意打ちのようにヒリヒリと痛む胸へと舌を這わせてきたから、堪えきれなくなった瞬はあえかな声を上げてしまう。 「やっ……うぅ」 　そんな声を上げる自分が恥ずかしくなってしまった瞬は、圭吾の頭を叩こうとするが、既に力はあまり入らず撫でているような形になった。 「……そこは、もう……いいからっ」 「分かってる。意地悪してごめん」 　情けない顔を見られたくなくて、顔を掌で覆って告げると、指の外側に唇が触れて、優しい手つきで髪を梳かれる。 　それから……窮屈にズボンを押し上げる股間を軽く掴まれて、焦らされていた体が勝手にビクビク大きく震えだした。 「あっ……くぅっ」 「辛そう。今、楽にしてやるから」 　手早くズボンを脱がされる間、ただ震えているしか出来ない。同時に下着も脱がされたのだと空気に触れて分かったけれど、自分の目で確認する勇気はとても持てなかった。 「……気持ち、悪く無いのかよ」 「どうして？　俺の手で感じてくれてるんだから、ここは嬉しいところだろ」 「あっ……やめっ、圭吾っ！」 　張り詰めていたペニスを数回少し強めに扱かれて……快感の余り腰が浮くけれど、本人はそれに気付けていない。 「ホント、可愛い」 「可愛いとか……言うな」 　閉じようとする太股を掴んだ圭吾が低く囁くと、細かく内腿を震わせながら、瞬の体が赤く色づいた。 「俺だけじゃ……ヤダ。お前も……脱げよ」 「俺はまだいい」 　ようやく顔から掌を退けた瞬が掠れた声で言うけど、いくら男同士とはいえ、実際圭吾の昂りを見たら怖じ気づかないとも限らない。 「そんなの、狡いっ……あ、止めっ！」 　言葉の途中で瞬のペニスの先端へチュッと口づけて、そのまま口腔へ含んでやると、驚いたように叫んだ彼が逃れようと体を引くから、圭吾は彼の膝裏を掴んでそれを大きく割り開いた。