270 / 301
3
***
「あっ、あぁっ!」
留めることの出来ない嬌声がやけに大きく部屋へと響く。
圭吾の巧みな口淫によって直ぐに達してしまった瞬は、自分の放った精液を彼が飲み下したのを目の当たりにして、
「汚いから止めろ」
と言ったが、まるで取り合って貰えなかった。
『美味しい』と、囁いた彼の艶を帯びた表情に、まるで放心したかのように動けなくなってしまったのだ。
「あっ……うぐぅっ!」
今は後孔に挿入された指に中を緩く掻き回され、達して萎えたペニスを再び口に含まれてしまっている。
こんな、ひっくり返った蛙のような格好は、相手が圭吾じゃなかったら、絶対見せたくなんてないが、
「怖い?」
と彼に尋ねられても頷くことは出来なかった。
「んぁっ…そこ、やだっ」
「ここ?」
「うぅっ……止め…きもち、わる……」
確かめるようにある一点を押されて腰が跳ねあがる。
初めて経験する感覚が、まだ快感とは結びつかない瞬は圭吾の頭を掴み、制止しようとするけれど……更に強くそこを叩かれて指から力が抜けてしまう。
「ふぁっ! あっ……やだ!」
「嫌 ?でも、瞬のこっちは大きくなってる」
「あっ、くぅっ……」
ベニスから口を離した圭吾が先端へフッと息を掛け、鈴口へ舌を這わせながら、後孔の指を増やしてきた。
「分かる? これで三本目、瞬のココ、柔らかくなってヒクヒクしてる。指が気持ちいい」
「……かんない、もっ……あっ、そこ…やだって……あぅっ!」
ローションをたっぷり注入したから、圭吾の指が動く度、グチュグチュという卑猥な音が体の奥から鼓膜を揺らす。
それだけでかなり恥ずかしいのに、さっき押された一点だけを集中的に弄るから……瞬の体は徐々にそこから快楽を拾い集め始めた。
「あっ! ああっん!」
自分の物とは思えないような媚びを帯びた甲高い声。
羞恥に自ら口を塞ぐと、まるで意地悪をするかのように三本の指が激しく動いた。
「ふっ……ぐぅっ!」
(怖いっ、こんなっ)
知識として、アナルでセックスする事は知っていたけれど、生物学上そこは快感を生み出すような器官ではないから、圭吾の為に痛みをひたすら我慢すればいいと考えていた。
ともだちにシェアしよう!